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性差のない防災対策を−延岡市人権セミナー

本紙掲載日:2021-11-05
8面
オンラインで防災講話を行う藤井さん

熊本地震で女性ら支援−藤井さん(熊本)が講義

 あらゆる差別や偏見の解消を図ろうと、延岡市人権セミナーの第1回は10月21日、市民ら約130人が参加して、同市本小路のカルチャープラザのべおかハーモニーホールであった。主催は市、市教委、市人権啓発推進協議会。

 この日は、熊本地震の際に女性や子どもの支援に取り組んだ、くまもと県民交流館パレア男女共同参画センターの館長藤井宥貴子さんが「明日を担う子どもたちに私たちはどんな社会を残していくのか〜ジェンダーの視点にたった災害への備え〜」と題し、オンラインで講義した。

 藤井さんはまず、2016年の熊本地震の映像を交え、「災害は一瞬で全てを奪ってしまう」と強調。災害は自然現象と、それを受け止める社会の在り方によって被害の大きさが決まるとして、「防災、復興には男女共同参画の視点が必要不可欠」と指摘した。

 その上で、避難所におけるトイレなどの「衛生問題」や、着替え室、授乳室が無いなどの「環境・物資の問題」、生活圏が確保できないことによる「安全の問題」など性別、立場によって起こりうるさまざまな課題を例に挙げ、▽生理用品や薬などの個人的な物資は日頃から備えておくこと▽性被害防止のため、避難場所では他人の目が届かない場所での個人行動は避けること▽各避難場所のメリット、デメリットを把握し対策をしておくこと――などをアドバイスした。

 また、15年に全国女性会館協議会が立ち上げた「大規模災害時における男女共同参画センターの相互支援システム」など、非常時を想定したさまざまな取り組みも紹介。最後に、「災害はいつ起こるか、分からない。平時にできないことは、非常時にはできない」と話し「社会課題を解決するために、一人一人にできることを実践していくことが、減災につながっていく」と呼び掛けた。

人権セミナーは、来年1月21日まで3回を予定している。

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